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ぐるっこの家

概要
ぐるっこのいえ」とは、住民であるぐるっ娘とその場に訪れる人それぞれが、台風の目となり、色んなものを巻き込み、吸収していく住居兼イベント・交流スペースです。

現在、秋葉原と浜松市で活動を展開中!

所在地
東京都秋葉原のぐるっこのいえ
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開催日
不定期、イベント開催時

活動内容
ジェアハウスでもあるぐるっこの家に泊まりに来た人、参加者が持ち寄ったアイデアをぐるっ娘たちと共に実現していく。

具体的活動
・ スイーツ作りの会
・AAF2011参加団体ぐるっこ視察
・AAFメンバーとの交流会
・ぐるっこ菜園
・フィンランドナイト
・大阪ツアー報告会ほか

発足


運営
ぐるっ娘たち

発見
冠 那菜奈さんからの情報

紹介サイト
http://sites.google.com/site/gurukkonoie/


連絡先
gurukko@gmail.com




[インタビュー  冠 那菜奈さん]
2010年11月に始めた1軒目のシェアハウス。若い人の集まる場所がないと思っていて、自分たちで作ろうとするとお金が足りないので、住む場所と集まる場所を一緒にすることを考えた。家賃を安くするというより、活動の場として始めたもの。ひらがなの「いえ」というので「ぐるっこのいえ」。

コンセプト
真ん中のリビングスペースが台風の目となっていく感じ。若い人たち一人ひとりがぐるぐるしていて、一人だと内向きになるけれど、集まったら大きな渦になる。円とかも考えたけど、円は閉じちゃうので、渦かな、となって、「ぐるっこのいえじゃない?」となった。お客さんとかと飲みながら、ちょうどいい感じに動き出して、絶対にこういうふうなことをしなきゃいけない、じゃなく、過程を共有することで生まれるものを大事にしている。藤さんとかが言う、部活っぽさがあると思う。いつも同じメンバーじゃない感じで、常に新しい人が入って来て、新しい風が吹いていればいいなと思う。来る人が出すアイディアや動きを住人もおもしろがってやってくれるのがある。ぐるっこに住むことで、毎日違う人や友達が来る。毎日そんな変化に気づかされていて、そういう変化を楽しいものに思えるかが大切。

展覧会「呼吸する家」(6月17日~7月1日@ぐるっこのいえ)
生活しながらいろんな発見や出会いがあり、それは表現でもあり、そこからクリエイティビティが生まれてくることもある。そんな感じのことが住んでいる中で、色々と起きていて、ぐるっこに住み始めて考え方が変わった。日常から生まれてくる表現を介していこうというので展示をやる。アーティストも観る人も、何か持って帰ってもらえるような展示をやりたい。日々人がしている呼吸とか、当たり前のことを見返して見れれるような展覧会になればなと思う。日常の空間で生み出したものを、そのまま見せられたらと思う。

気をつけていること
無理をしない。リビングは一人暮らしを持ち込む場所ではないし、生活のリズムもあるので、それで自分で守りつつ、うまくこの場を利用したい。何か「?」なことが起きたら、徹底的に話し合うし、ジェアハウスはつらくなってくる人も多いらしいけど、うちらはけんかもしないし、特に何も問題はない。パーティやりたくなったらやるし、外国から人が来たらウェルカムパーティをやる。

今の感じ
いろんな感じで混ざっていって、ここから何か始まる感じがある。真ん中の部屋はニュートラルで、居心地のいい場所にしている。ジェアハウスとかコワーキングとかって趣味とか関係なく、ある程度大人になって求めているもので、特に同世代は、どうやったら集まる場所を作れるかという感じで迫られているというのがあると思う。それが一番面白くて、そういうのが飽和したんだと思う。

同世代はいろんなものに分断されていて、エリアや分野で分断されている。でもなんかやっているものの、趣味や考え方でつながれる。やっぱり人じゃないかということでやっている。それぞれのよさがあって、違いがあって、それぞれの場所で色んなことが生まれている。アーティスト、メディエイター、研究者が住んでいて、色んな人が集まることで、アートの中で困っていることの答えが出てきたりとか、なんかそういうのががすごいいいと思う。

今後について
実はぐるっこでモデルを作りたくて、3LDKという家族のために作られたものだけど、それが今の生活形態に合わなくなっていて、今は箱だけあっちゃうところを、自分たちで別の使い方を作っていこう。雑誌とかに載っているシェアハウスとかは、今すぐ始めようとしてもリノベーションとか難しいし、だから、今ある物でできるモデルを作りたい。

ぐるっこに住む前に思っていた、ただ居心地いいと思っている人と一緒にいることの限界が見えてきた時に、アートプロジェクトの外からの視点があることで、風になる人が入ってきたりすいることが必要。一年住んで、何にも創造していなくても、いろんなことが起こるので、考え方が変わった。うちみたいなシェアハウスが増えて欲しいという訳でなく、みんながやっているからシェアハウスがやりたいという訳でもなく、遊びに行って帰っていくだけでもいいとか、選択肢を持てる状況を作りたい。

誰かの友達とかが来てみたとき、ここだから出会えたって声が聞けたら、それは人生に何回起きるかわからないことだと思う。いかにそういう瞬間を作っていくかだと思っている。「いえ」という場所じゃなくてもいいし、そういうことが起こって欲しい。展覧会もその一つ。形式化はしたくない。どこにでもあるものを使って、どんな面白いことができるか。世代や男女、価値が違っても、今、どうしてもマンションとしての箱モノのハードがあるけど、中に入るソフトの考え方を変えたら場になるじゃないですか。面白いステーション。こたつやリビングがあることで生まれる環境が面白がられている所もある。
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[コラム]
「アートプロジェクトの今が知りたいなら冠に聞け」というほど、様々なプロジェクトの現場を歩いている冠那菜奈なさんが、友人と3人で始めたシェアハウスがぐるっこのいえ。
以前から興味を持っていた場所だけに、「かえる組」の取材にかこつけて月1回やっているというぐるっこパーティに参加。

末広町から千代田アーツ3331に向かい、そこから徒歩約5分。3組坂を登りきったところにある目立たないマンションの一室がぐるっこのいえ。
入口手前の窓枠のところに10数本の傘が置かれていたこともあって、てっきりたくさんの人が来ているものと思っていた。

しかし、ドアを開けてくれた冠さんに連れられて、リビングに行ってみると、人影は少なく、その代わりキッチンで料理をしているスウェーデン人の2人が出迎えてくれた。
ソフィーさんとレベッカさんという2人の女性は、冠さんの友達の知人ということで、日本観光の宿泊先としてぐるっこに滞在しているらしい。

冠さんからの話を聞くのもそこそこに始まった総数5人のパーティは、英語がこたつの上を飛び交う、ユニークかつ、インターナショナルなものになった。
ワインやビールを飲みながら、パーティーのメインディッシュ、トッピングができるカレーをみんなで食べる。

トッピングになった理由は、スウェーデンの2人がベジタリアンだったため。
昔、日本で流行ったスウェディッシュバンドの話題から、きゃりーぱみゅぱみゅのPVなど互いの国の流行歌をネットで見たりと不思議な時間が過ぎていく。

途中からは、以前から顔見知りのクリエーターが偶然やって来たり、アートや演劇関係の女性たちが、仕事を終えてこの部屋に立ち寄ったりという風にパーティーの輪が広がっていく。
気づいた時には終電ぎりぎりの23時15分をとっくに過ぎていて、危うく家に帰れなくなるところだった。

お茶の水から乗った金曜夜の電車内で思ったことは、これまでとは異なる、家族を基盤としない「いえ」でありながら、自分たちのホームを人々に開いていくことで生まれる、ちょっとズレた「日常」感。
そんな「日常」をゆるやかに、「非日常化」する楽しく簡単な手法が、「ぐるっこのいえ」にはあるように思えた。
by kaerugumi | 2012-05-13 09:52 | 居場所